NISAの非課税枠が終了!ロールオーバーで延長する方法とは?

NISAを利用すると、120万円の投資分までなら配当や値上がり益に対する税金を0にしてもらうことが可能で、投資家にとっては非常に大きなメリットがあります。 ただし、NISAには「5年」の期間制限があります。

もうすぐNISAの5年の期限が来てしまう方もおられますが、その場合、どのように対処すれば良いのでしょうか?

実はNISAは「ロールオーバー」という方法で、さらに5年間期間を延長することが認められています。 今回は、NISAの5年の期間が終了するときの「ロールオーバー」について、ご説明します。

NISAの期間は5年間

NISAとは「少額非課税投資制度」です。NISA口座内で取引をすると、年間120万円までの投資分に対する配当や値上がりなどが非課税となります。過去、NISAで取引できる上限は100万円でしたが、2016年に120万円にまで引き上げられて、現在に至ります。

このように、税金がかからない点で投資家にメリットが大きく人気のあるNISAですが、実は「期間」がもうけられています。 NISAの期間は5年です。そこで、NISA口座を開設してから5年が経過したとき、NISA口座内の資産がどのように取り扱われるかが問題となります

特に、2019年はNISAにとって節目となる年です。NISAが始まったのが2014年1月からなので、2018年12月末でちょうど5年が経過するためです。

このように、NISAの期限が切れるのに備えて国は「ロールオーバー」という方法を認めています。

NISAのロールオーバーとは

ロールオーバーとは、期限の切れたNISA口座を「繰り越す」制度です。

本来NISAの期間は5年ですので、5年が経過したらNISA口座は解消されて、中の株式や投資信託は、一般口座や特定口座に移されるはずです。するとその後は投資の原則通り、税金がかかってしまいます。

しかしそれではNISAの使い勝手が悪くなってしまうので、国はNISA口座の切り替え・延長を認めることにしました。それがロールオーバーです。

NISAをロールオーバーすると、NISA口座の開設から5年が経過して期間が終了しても、NISAを使い続けることが可能です。ロールオーバー後の口座もNISAなので、そこでの値上がりについてももちろん非課税となります。

このように、ロールオーバーを繰り返していると、延々とNISAの非課税枠を使い続けることができます。「NISAの期間は5年」と言ってはいますが、ロールオーバーが認められる限りは、永続的に非課税枠投資を利用し続けることができる可能性もあります。

ただし、実際に今後永遠にロールオーバーが認められるとは限りません。国の施策で突然ロールオーバーできなくなってしまう可能性もあるからです。

また最近では、一般的なNISAだけではなく、つみたてNISAやジュニアNISAなどの別の少額投資非課税制度も登場しています。今回ご紹介する「ロールオーバー」ができるNISAは、オーソドックスな一般のNISAです。つみたてNISAの場合には、もともとの期間が20年と長いので切り替え延長の必要がないと考えられており、ロールオーバーできません。ジュニアNISAは未成年を対象とする口座なので、一般のNISAとはまた別の制度がもうけられています。

混同しないようにしてください。

NISAの5年の期間が切れてロールオーバーしないとどうなるのか?

NISA口座を開設して5年の期間が終わったとき、ロールオーバーをしないことも可能です。その場合、NISA口座内の資産はどのように取り扱われるのでしょうか?

特定口座や一般口座に入金される

ロールオーバーをしなかった場合、NISA口座内の資産は証券会社の「特定口座」または「一般口座」に移されます。順序的には、まずは優先的に特定口座へ入金され、特定口座のない人は一般口座に入金される取扱いをされるケースが多いです。

特定口座でも一般口座でも、どちらにしても非課税口座ではないので、取引によって利益が発生すると税金がかかります。

特定口座源泉徴収ありの口座であれば、証券会社が源泉徴収してくれるので利用者が自分で確定申告する必要がありません。

特定口座でも源泉徴収なしや一般口座の場合には、利用者が自分で確定申告して、税金を納める必要があります。

ロールオーバーするのとしないのを具体例で比較

たとえば、NISAの期間終了時に100万円の資産が口座内に残っていたとしましょう。

ロールオーバーをして、その次の年に150万円までもうかったとします。その場合には、NISA口座内での取引なので非課税です。 これに対し、ロールオーバーをせずに特定口座や一般口座に移管して150万円までもうかったとします。すると50万円分の利益に課税されてしまいます(分離課税で20%なら10万円)。

このように、ロールオーバーするとしないとでは大きな差が発生してくるので、NISAの期限が終了するとき、ロールオーバーした方が良いでしょう。

NISA口座内残高が120万円を超えているケース

ロールオーバーは、NISA口座内の残高が120万円を超えているかどうかでも、取扱いが異なってきます。

そもそもNISAは、限度額が120万円の口座です。そこで従前は、ロールオーバーの際にも120万円が限度であり、120万円を超える部分は繰越ができないと考えられていました。

しかし平成29年、税制が整備されて、NISAのロールオーバーの際には120万円の上限が撤廃されることになりました。

そこで、すでにNISAを利用して口座の中身の資産が120万円を超えている場合には、ロールオーバーによって全額を繰り越すことが可能です。たとえばNISA口座内に200万円が入っていたら、それを丸ごとロールオーバーして、200万円全額を新たなNISA口座で管理し続けることができます。

NISA口座内残高が120万円を割っているケース

反対に、今のNISA口座内残高が120万円を下回っているケースでは、どのように考えれば良いのでしょうか?

この場合には、問題なく新たな口座に資産が引き継がれます。もともと120万円以下なので、限度額の問題は発生しません。

ロールオーバー後、投資できる金額は?

ロールオーバーした場合、新たなNISA口座でいくらの金額を追加投資できるのかについても押さえておきましょう。

追加投資できる金額は、NISAの口座内残高によって異なります。

ロールオーバーした金額が120万円以上になっている場合には、移管したときからすでにNISAの限度枠である120万円を超えています。そこで、それ以上の投資を行うことはできません。NISAは移管した資産を保有するだけの口座となります。

これに対し、ロールオーバーした金額が120万円を切っている場合には、120万円までの金額であれば新たに投資できます。

たとえば、期限が切れたときのNISA口座残高が80万円で、その80万円をそのままロールオーバーした場合には、あらたに40万円(120万円と80万円の差額)を非課税枠内で投資できるということです。

ロールオーバーの方法

ロールオーバーをするためには、NISA口座を設定している証券会社でロールオーバーの手続きを行う必要があります。

ウェブサイトなどで受け付けているので、自分の利用している証券会社のサイトにアクセスして手続きを進めましょう。

ロールオーバーをしないと、特定口座や一般口座に移行されて課税されてしまう可能性があるので、必ず5年が経過する前に手続きを済ませてしまいましょう。

NISAの期限が来たときの選択肢3つ

3種類の対処方法

NISAを利用していて5年の期限が来たときには、以下の3種類から対応方法を選べます。

ロールオーバー

NISA口座を切り替えて、引き続いて5年間非課税枠内で投資する方法です。

特定口座、一般口座へ移管

NISA口座をいったん取りやめて一般口座や特定口座へ資金を移す方法です。

売却

いったんNISAの口座内の投資商品を売却して、利益や損失を確定させる方法です。 NISA口座からの売却なので、利益に対して税金はかかりません。

お勧めの方法

NISAの期間が終了したときにもっともお勧めの方法は、NISA口座内で利益がでているかどうかで異なります。

まず損失になっているのであれば、ロールオーバーをお勧めします。売却すると損失が確定しますし、あえて課税口座に移すメリットもないからです。ただし損切りして新たにNISAの枠で別の投資をしたいのであれば、売却する方法も考えられます。

次に利益が出ているときの対応です。いったん利益確定するのであれば、NISA期間の終了と共に売却すると良いでしょう。このときの売却益には税金がかからないのでNISAのうまみを得ることができます。ただ、もっと値上がり益を狙いたい場合やすぐに利益確定したくない場合には、ロールオーバーをお勧めします。

利益が出ていても損失が出ていても、一般口座や特定口座に移管する方法はメリットが小さく、あまりお勧めではありません。 NISAの期間終了時、売却もロールオーバーもしなかったら当然にこれらの口座に移管されるので、忘れずにどちらかの手続きをしてくださいね。

まとめ

NISAを上手に使うと、税金がかからないので手取り額が増えて、大きなメリットを得られます。しかし期限が来たことに気づかず特定口座や一般口座に移管されてしまったら、せっかくの優遇措置を受けることができなくなります。

NISA口座を持っているなら一度期限を確認して、期限までに必ずロールオーバー(もしくは売却)手続きを完了しておいてくださいね。

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